‘投資’

中小企業などへの投資を促すための特別な制度があると聞いたのですが、具体的にどのようなものなのか教えてください。

 

中小企業者等が1998年6月1日~2014年3月31日までの間に新品の装置や機械などを獲得・製作し、日本内の建設業や製造業などの指定事業用に使用した場合、その指定企業用として使用した日が含まれる事業年度の際に、税額控除や特別償却が認められる制度があります。
*2008面4月1日以降に行われた所有権移転外のリース取引によって賃借人が獲得したものとみなされる資産に関しては、特別償却の定めは適用されない反面、税額控除の定めは適用されることとなります。

この制度の適用が受けられる法人は、青色申告をした以下の法人です。
1. 税額控除:中所企業者の中で出資金や資本金の額数が3千万円を超えない農業協同組合や法人
*ここでの中小企業者とは、出資や資本を持っていない法人の中で常時使用している従業員の数が千人を超えない法人と、出資金や資本金の額数が1億円を超えない法人をいいます。ただし、同一の大規模法人からの発行済み株や出資の総数・総額の1/2を超える部分を持っている法人や、二つ以上の大規模法人からの発行済み株式や出資の総数・総額の2/3を超える部分を持っている法人は除外となります。
2.特別償却:農業協同組合などや中小企業者

この制度の適用が可能な事業年度は、指定された期間内にその対象の資産を獲得・製作して指定事業用途に使用した場合に、その指定事業用として使用した日が含まれる事業年度となります。
しかし、解散日が含まれる事業年度や清算中の各事業年度は除外となります。

この制度の適用が受けられる資産は、その製作をした後、事業用として使用されたことがない資産で、以下の項目に当てはまると同時に、指定された期間内に獲得・製作して指定の事業用として使われるものを言います。
しかし、内腔運送用として使用される船舶の貸私を行う事業を営んでいる法人以外の法人が貸付用として使う資産は、この制度の適用対象になりません。
1.内腔海運業用に使用される船舶
2.装置や機械で1基・1台の獲得価額が160万円を超えるもの
3.車両や運搬具の中で、一定の普通自動車と、貸物の運送用として使われるものの中で車両総重量が3.5トンを超えるもの
4.製品の品質管理や事務処理の能率化の向上等に投資する以下のどちらかのもので、1基や1代の獲得価額が120万円を超えるもの
(1)電子計算機
(2)試験又は測定機器:2012年4月1日の後からの獲得品に限られます。
(3)検査工具や測定工具:2012年4月1日の後からの獲得品に限られます。
(4)インターネットに接続されるデジタル複合機
5.4に準じるもので、以下の項目のどちらかに当てはまるもの
(1)検査工具や測定工具:2012年4月1日の後からの獲得品に限られます。
(2)試験又は測定機器:2012年4月1日の後からの獲得品に限られます。
(3)電子計算機
*(1)~(2)の場合は、1基や1代の獲得価額が30万円を超えないものは除外となります。
*(3)の電子計算機の場合は、法令第133条や法令第133条の2の定めの対象になるものは除外となります。
6.ソフトウェアで、以下の項目のどちらかのもの
(1)対象の事業年度に、滋養用として使用したソフトウェアの獲得価額の合計が70万円を超えるもの
(2)一つのソフトウェアの獲得価額が70万円を超えるもの
*対象の事業年度が2014年4月1日前に開始して、同時に同日の後の終了する場合は、その事業年度の開始日から1024年3月31日までの期間内に事業用として使用したソフトウェアの獲得価額の合計が70万円を超えるものに限られます。

この制度から定められている指定事業は、以下の事業となります。
サービス業、製造業、農業、建設業、漁業、林業、鉱業、水産養殖業、道路貨物運送業、卸売業、港湾運送業、ガス業、小売業、倉庫業、料理店業その他の飲食店業(料亭、ナイトクラブ、バー、キャバレーとその他このようなものに類似の事業は除外)、海洋運輸業及び沿海運輸業、一般旅客自動車運送業、旅行業、内航船舶貸渡業、通信業、こん包業、損害保険代理業、郵便業
*性風俗関連の特集営業に当てはまるものは除外となります。

この制度から受けられる償却の限度額数は、基準の獲得価額の3割相当の額売数の特別償却の限度額を普通償却の限度額に加算した金額となります。
規準の獲得価額は、船舶についてはその価額の7.5割をかけた金額で、それ以外の資産に関してはその獲得価額の全額を言います。

一方、償却ではなく税額控除を受ける場合のその限度額は、基準の獲得価額の0.7割相当の額数となります。しかし、その税額控除の限度額が対象の事業年度の法人税額の2割の相当の額数以上である場合は、控除される金額は、その2割相当が限度額となります。

税額控除の限度額が対象の事業年度の法人税額の2割相当の額数以上であるために、その事業年度で税額控除の限度額の全ての額を控除しきれなくなった場合はあります。この場合は、その控除しきれなかった残額について1年間の繰り越しができます。

その他の注意すべきことは、以下の通りとなります。
1.一つの資産に、この制度での税額控除と特別償却を両方適用することは不可能です。
2.この制度による税額控除や特別償却の定めの適用対象になった場合は、研究開発税制以外の租税特別措置法上の圧縮記帳や他の制度での税額控除や特別償却と重複して適用することはできません。
3.特別償却の適用対象になるためには、確定申告書などに償却限度額の計算に関わる明細書の添付が必要です。
それに、税額控除の適用対象になるためには、控除を受ける財産の金額を確定申告書などに書くとともに、その金額の計算に関わる明細書の添付が必要です。
繰越税額控除限度超過額の繰越控除の適用対象になるためには、その繰越が発生した事業年度以降の事業年度ごとの確定申告書に繰越税額の控除限度超過額数の明細書を添えると同時に繰越控除を適用しようとする事業年度の確定申告書などに繰越控除の対象になる残額を書き、その額数の計算に関わる明細書を添えて申告してください。
4.特別償却の適用の代わりに、特別償却限度額を超えない金額を対象の事業年度の決算確定日までに剰余金の処分によって特別償却の準備金として積み立てたり、損金経理によって特別償却の準備金として積み立てて、損金の額数に算入することも可能です。
このような適用を受けるためには、確定申告を行う際に特別償却の準備金で積み立てた額数の損金算入に関わる申告を書き、その額数の計算に関わる明細書を添えることが必要です。

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