‘事業用’

中小企業を運営しています。価格が26万円である機械を2010年に買い入れ、事業用として使用したのですが、この場合に受けられる特例はあるのでしょうか。

 

「中小企業者などの少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」というものがあります。これは2003年4月1日~2014年3月31日までの期間内に取得価額が30万円を超えない減価償却の資産を獲得し、事業用として使用した場合、一定要件を満たした後、その価額相当の金額を損金額に参入することが可能な特例です。

この特例の適用対象になれる法人は、青色申告を行った農業協同組合などや中小企業者になり、その対象に含まれる資産は、その価額が30万円を超えない減価償却資産となります。しかし、適用の対象になる事業年度での少額減価償却資産の価額の合計が300万円以上である場合は、その獲得価額の合計の中から300万円になるまでの少額減価償却資産の取得価額の合計が限度になります。

適用要件は、事業用として使用した事業年度での、少額減価償却資産の取得の価額相当の金額につき損金経理すると同時に、確定申告書などに少額減価償却資産の価額に関わる明細書を添えて提出する必要があります。

*この特例は、取得の価額が30万円を超えない減価償却資産に対するものなので、器具や装置、機械、備品などの有形減価償却資産の他にもソフトウェア、商標権、特許権などの無形の減価償却資産も対象に含まれます。所有権移転外リース取引に関わる賃借人が得たとされる資産や、中古の資産も対象に含まれます。

小企業を運営しています。2007年に、新しい事業の開始にあたって事業用の機械を賃借しました、この場合の税額の控除の制度がありましたら詳しく教えてください。

 

リース税額控除という制度がありました。この制度は中小企業者が1998年6月1日~2008年3月31日の期間内に新品の装置や機械などを賃借して、日本内にある建設業や製造業などの指定された事業用として使われた場合に、その指定事業用として使用された日が含まれる事業年度において税額の控除が可能になることをいいます。なお、2008年4月1日からのことに関しては、制度の廃止にともない適用ができないことになります。

制度の適用の対象法人は、青色申告を行った農業協同組合や中小企業者などで、その対象になる事業年度は、指定された期間内に適用対象資産を物品賃借業の人から賃借をし、指定事業用として使用した場合でのその使用日が含まれた事業年度になります。
ただし、解散日が含まれる事業年度と清算中である各事業年度は除外となります。

この制度の適用対象である資産は、指定された期間内に物品賃役業の人から賃借をして指定された事業用として使われたもので、以下の項目の資産のことです。しかし、内航運送用として使用される船舶の貸渡しの法人以外の法人が貸付用として使用する資産は、この対象から除外されます。
1.車両や運搬具の中での一定の普通自動車で、貸物の運送用として使用されるものの中で車両の総重量が3.5トンを超えるもの
2.装置と機械で1基・1台の賃借費用の総額が210万円を超えるもの
3.ソフトウェアで、一つのソフトウェアの賃借費用の合計が100万円を超えるものや、対象の事業年度での賃借で指定事業用として使用した資産の賃借費用の合計が100万円を超えるもの
4.「インターネットに接続されたデジタル複合機」と「電子計算機」で、1基や1台の賃借費用の合計が160万円をこえるものや、対象の事業年度での賃借で指定事業用として使用したデジタル複合機や電子計算機ごとの賃借費用の合計が160万円を超えるもの

制度の適用対象になる賃借契約は、物品賃借業者を賃借人とする契約であると同時に以下の要件のすべてを満足させるものです。
1.賃借契約の期間が5年を超えると同時に、対象の賃借契約の期間がその特定機械などの耐用年数を過ぎていないものであること
2.賃借費用の総額が特定の各機械などに決められていること。それに、同一の特定の機械などが2個以上ある場合は、ソフトウェア以外の特定の機械などについては1基や1台ごとに、ソフトウェアに関してはソフトウェアごとに決められているものであること
3.賃借費用の総額が賃借の契約期間内に均等額で定期的に支払うことになっていること

この制度の適用の対象になる指定事業は、サービス業、製造業、農業、建設業、漁業、林業、鉱業、水産養殖業、道路貨物運送業、卸売業、港湾運送業、ガス業、小売業、倉庫業、料理店業その他の飲食店業(料亭、ナイトクラブ、バー、キャバレーとその他このようなものに類似の事業は除外)、海洋運輸業及び沿海運輸業、一般旅客自動車運送業、旅行業、内航船舶貸渡業、通信業、こん包業、損害保険代理業となります。
*性風俗関連の特集営業に当てはまるものは除外となります。

この制度で受けられる控除額の限度は、賃借費用の総額の6割を掛けた額の合計の0.7割相当の額となります。しかし、賃借税額控除の限度額がその事業年度の法定税額の2割相当の額数以上である場合は、控除の対象になる金額はその2割相当の額数が限度となり、この2割相当額以上の賃借税額控除の限度額があるため控除をしきれない残額がある場合は、1年間の繰り越しが可能です。

この制度の適用の対象になった事業年度分以降の事業年度に対し、その賃借契約の期間内にその特定機械などを指定事業用として使用しなくなった場合は、以下の計算職で算出された金額を、事業用として使用しなくなった事業年度の法人税額に加えることとなります。

過年度でのその特定機械などにつき法人税額から控除された金額/賃借契約期間の月数X(賃借契約期間の月数‐事業用として使用された日から事業用として使用しなくなった日までの期間の月数)

*この制度による税額控除の適用対象になった場合は、研究開発税制以外の租税特別措置法上の他の制度での税額控除と重複して適用することはできません。
*この税額控除の適用対象になるためには、控除を受ける財産の金額を確定申告書などに書くとともに、その金額の計算に関わる明細書の添付が必要です。
繰越税額控除限度超過額の繰越控除の適用対象になるためには、その繰越が発生した事業年度以降の事業年度ごとの確定申告書に繰越税額の控除限度超過額数の明細書を添えると同時に、繰越控除を適用しようとする事業年度の確定申告書などに繰越控除の対象になる残額を書き、その額数の計算に関わる明細書を添えて申告する必要があります。

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