中小企業者などが情報基盤強化設備などを獲得した場合の税額控除に関して教えてください。

 

その場合での税額控除は2011年の税制改正により、その適用期限の到来を以て廃止されました。しかし、2010年4月1日~2012年3月31日までの期間内に設備を獲得した場合なら、特別償却か税額控除が認められることになります。

この制度の適用が受けられる法人は、青色申告を行った法人の中で中小企業者に当てはまる法人となります。
*ここでの中小企業者とは、出資や資本を持っていない法人の中で常時使用している従業員の数が千人を超えない法人と、出資金や資本金の額数が1億円を超えない法人をいいます。ただし、同一の大規模法人からの発行済み株や出資の総数・総額の1/2を超える部分を持っている法人や、二つ以上の大規模法人からの発行済み株式や出資の総数・総額の2/3を超える部分を持っている法人は除外となります。

この制度の適用が可能となる事業年度は、指定された期間内に情報基盤強化設備などを獲得・製作して、当該法人の日本内の事業用として使用した場合に、その事業用として使用した日の属する事業年度となります。

適用対象になる資産は、その製作の後、事業用として使用されたことのない以下の情報基盤強化設備などで、当該法人供用年度の指定された期間内に事業用として使用した物の獲得価額の合計が70万円を超えるものとなります。

1. 基本システム
(1)サーバー用の電子計算機:サーバー用のオペレーティングシステムが入力されたものに限られます。これと同時にセッティングする附属の電源装置や補助記憶装置も含まれます
(2)サーバー用のオペレーティングシステム:ソフトウェアを実行するために電子計算機の動作を直接成業する機能があるソフトウェアの中で、IECやISOの規格15408に従って評価や認証を受けた者に限られます。
(3)サーバー用の仮想化ソフトウェア:上記の(2)による(1)に対する指令を制御し、二つ以上のサーバー用のオペレーティングシステムでサーバー用の電子計算機に応じる指令を同時に施行することを可能にする機能を持っているソフトウェアの中で、IECやISOの規格15408に従って評価や認証を受けたものに限られます。
2.データベースを管理するソフトウェアやそのデータベースの管理ソフトウェアとそれに関わるデータベースを構成する情報を加工する機能のあるソフトウェア:データベースの操作、生成、制御、管理の機能があるソフトウェアで、他のソフトウェアに応じてその機能を提供するものの中で、IECやISOの規格15408に従って評価や認証を受けたもの
3.連携ソフトウェアから指令を受け、その情報処理システム以外の情報処理のシステムに指令をするソフトウェアで、以下の機能を持っているものの中で、IECやISOの規格15408に従って評価や認証を受けたもの
(1)指令をすべき情報処理のシステムを特定する機能
(2)日本工業規格X0027の規定によるメッセージの形式に従い、日本工業規格X4159に適合する言葉を使い記述された指令をもらい、これを日本工業規格X5731-8にしたがって認定する機能
(3)(2)の指令を受けたという内容の記録をする機能
(4)特定された情報処理のシステムに対する指令を受ける際に、その情報処理のシステムの実行が可能な内容と形式に指令の付加・変換をし、最適な経路を選ぶ機能
4.1,2,3の減価償却資産のどちらかと同時に設置する不正アクセス防御ソフトウェア・不正アクセス防御装置の中で、 IECやISOの規格15408に従って評価や認証を受けたもの
(1)通信路の設定のための通信プロトコルファイアウォール機能
(2)通信方法を決めるための通信プロトコルシステム侵入検知機能
(3)アプリケーションサービスの提供のための通信プロトコル アプリケーション侵入検知機能

この制度の適用対象になる指定事業は、以下の事業となります。性風俗関連の特殊営業に当てはまるものはこの事業に含まれません。
建設業、卸売業、鉱業、卸売業、道路貨物運送業、港湾運送業、倉庫業、小売業、ガス業、一般旅客自動車運送業、沿海運輸業、海洋運輸業、こん包業、旅行業、通信業、郵便業、損害保険代理業、サービス業(映画業と物品賃貸業以外の娯楽業は除外)、料理店業その他の飲食店業(料亭、バー、ナイトクラブ、キャバレーその他これらと類似の事業は除外)

この制度から受けられる償却の限度額数は、基準の獲得価額の3割相当の額売数の特別償却の限度額を普通償却の限度額に加算した金額となります。
一方、情報基盤強化設備に関しての特別の償却ではなく、税額控除を受ける場合のその限度額は、基準の獲得価額の0.7割相当の額数となります。しかし、その税額控除の限度額が対象の事業年度の法人税額の2割の相当の額数以上である場合は、控除される金額は、その2割相当が限度額となります。
これらの特別償却の適用対象になるためには、確定申告書などに償却限度額の計算に関わる明細書の添付が必要です。税額控除の適用対象になるためには、控除を受ける財産の金額を確定申告書などに書くとともに、その金額の計算に関わる明細書の添付が必要です。
税額控除の限度額が対象の事業年度の法人税額の2割相当の額数以上であるために、その事業年度で税額控除の限度額の全ての額を控除しきれなくなった場合はあります。この場合は、その控除しきれなかった残額について1年間の繰り越しができます。
繰越税額控除限度超過額の繰越控除の適用対象になるためには、その情報基盤強化設備などを実際に使用した日の属する事業年度の後の各事業年度の確定申告書に繰越税額の控除限度超過額数の明細書を添えると同時に、繰越控除を適用しようとする事業年度の確定申告書などに繰越控除の対象になる残額を書き、その額数の計算に関わる明細書を添えて申告してください。

最後に、この制度の適用対象になった場合は、研究開発税制以外の租税特別措置法除の圧縮記帳と他の税額控除と特別償却との重複した適用は不可能です。

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