内部統制は企業価値の向上に結び付いているのですか?

 

Q.内部統制は企業価値の向上に結び付いているのですか?

 

A.企業は外部環境の変化を認識しつつ、自社の内部環境の測定を行い、経営目標を提示します。経営目標については、売上げや利益がいくらというように、具体的に数値化されるのが通常です。その経営目標を達成するため、経営者は企業の組織構造を変えていきます。そして、変えた組織構造の中で、その業務をより効率的に有効に回していくため、内部統制の設計が組織的になされていると考えます。

組織構造も内部統制に含まれると広くとらえることもできます。それゆえ、内部統制は経営目標を達成するための経営管理活動そのものですので、それは「企業価値の向上」に深く結び付いているといえます。

内部統制の目的は、業務の効率性、コンプライアンス、財務報告の信頼性、資産の保全の四つです。これらのうちでコンプライアンスと財務報告の信頼性については、近年ではこれらを阻害する事件(損害保険会社の保険金の不払いや違法な営業等)が増えています。企業がこのような問題を1回でも起こした場合には、重い社会的制裁が下されています。コンプライアンスと財務報告の信頼性は、それができていなければ企業価値に負の影響が大きく、重要性が高まっているものと思われます。

企業価値を向上させるには、内部統制は大切であるといえます。

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