‘完全子法人’
中小企業向けの特例措置は、資本金5億円以上の法人などの完全子法人には適用されないのでしょうか。
2010年と2011年12月の税制改正によって、2010年4月1日について、資本金の額数や出資金の額数が5億円を超える相互会社などと法人の完全子法人などには適用されないこととなりました。詳しくは以下の通りです。
1.欠損金などの控除限度額の縮減の不適用:青色申告を行った事業年度の欠損金・災害からの損失金の繰越控除の制度での控除限度の額は、繰越控除を行う事業年度の控除前の所得金額の8割相当の額数になります。
2.軽減税率:普通法人の事業年度ごとの所得金額の中で、年800万円を超えない金額に対する補腎税の軽減税率の適用はなくなり、一律して25.5%になります。
3.特定同族会社の特別税率:適用ができなくなります。その代わりに留保金課税の適用が可能となります。
4.貸倒引当金の法定繰越率:一括の評価金銭債権の貸倒の引当金の繰入限度額数の計算の際に、法定繰入率が選べず、貸倒実績率で計算が行われます。
5.欠損金の繰戻からの還付制度:事業の全部の譲渡や解散などの一定の事実が発生した場合を除外し、この制度の還付はできません。
6.交際費などの損金不算入の制度での定額控除制度:定額控除の制度の適用はできなくなり、支出する交際費などの額数が損金不算入になります。
7.貸倒引当金の繰入:保険会社や銀行、または金融に関わる取引での金銭債務を持っている法人などの、一定の法人以外の貸倒引当金の繰入が不可能になりました。この改正に伴って、2012年4月1日~2015年3月31日の期間内に始まる事業年度について、一定の経過措置が儲かれました。
*ここでの完全子法人とは、資本金や出資金の額数が5億円を超える相互会社や法人による完全支配関係がある普通法人のことです。なので、大法人による完全支配関係である普通法人であれば、出資金や資本金の持ち分に関係なく、中小企業向けの特例措置の適用対象になりません。完全支配関係がある大法人が複数であっても、特例措置の適用対象からは外されます。