‘欠損金額’

2009年から2013年まで青色申告を行っています。2011年に開始する事業年度に発生した欠損金額があり、これを繰戻そうとしています。この場合、法人税から還付できる金額が発生しますが、この額数の請求はできるのでしょうか。

 

「欠損金の繰戻による還付」という制度を活用すれば無理なく還付の申請ができると思います。この制度は、青色申告書の確定申告書を出す事業年度に欠損金が発生した場合に、その金額を当該事業年度の開始される日の前の1年以内に始まったどちらかの事業年度に繰戻して法人税の額数の還付の請求が可能になるものです。
しかし、中小企業者等の欠損金額の中で2009年2月1日の後に終了する各事業年度の場合と解散などの事実が発生した場合の欠損金額以外の1992年4月1日~2014年3月31日の期間内に終了する各事業年度に発生した欠損金額に関しては適用が止められています。

この制度の対象の法人は青色申告を行った法人で、還付金額の計算は以下のようになります。
還付所得の事業年度の法人税額X(欠損事業年度の欠損金額/還付所得の事業年度の所得金額)

適用要件は以下の3つで、すべてを満足される必要があります。
1.欠損事業年度にかかる青色申告書の確定申告書をその提出期限内に出したこと
2.上記1の確定申告と同時に、欠損金の繰戻の還付請求書を出すこと
3.還付所得の事業年度から欠損事業年度の前の事業年度までの各年度について、続けて青色申告書の確定申告書を出していること。

この制度は前述したとおり、1992年4月1日~2014年3月31日の期間内に終了する各事業年度に発生した欠損金額に関しては適用が停止されています。しかし、このような場合でもいくつかの要件の下で制度の適用が可能になる特例があります。

1. 解散などに対する特例:会社再生法などの定めによる再生手続きの開始、解散、事業の全ての譲渡などの一定の事実が発生した場合、そのような事実が発生した日の前の1年以内に終わった事業年度や解散などの日の含まれる事業年度に発生した欠損金額は、この制度の適用が可能になります。
この特例には、以下の事項を注意して下さい。
a.上記の適用要件の2の還付請求書の提出危機は、解散などが起きた日から1年以内となります。
b. 還付所得の事業年度から欠損事業年度の前の事業年度までの各年度について、続けて青色申告書の確定申告書を出す必要があります。

2. 中小企業者等に対する特例:2009年2月1日~2014年3月31日までに終わる各事業年度に欠損金額が発生した場合もこの制度の対象になります。
*ここでの中小企業者等とは、以下の通りです。
a.法人税法第2条第9号の定めによる普通法人の中で、当該事業年度が終わる時に、出資金や資本金額が1億円を超えないものや、出資や資本を持っていないもの
b.法人税法第2条第7号の定めによる協同組合などや法人税法第2条第6号の定めによる公益法人など
c.人格を持っていない社団など
d.法人税法以外の法律で公益法人などと思われる以下の法人:マンション建て替え組合、認可地緑団体、特定非営利活動法人、管理組合法人、防災街区成否事業組合、団地管理組合法人、法人である政党など

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